第108号(2014年1月15日号)
目次
正月行事の人日(七草)について
<質問>
人日(七草)のような正月の行事は,なぜおこなわれるようになったのか。
<回答>
下記資料に記載がありました。
資料1 加藤友康[ほか]編『年中行事大辞典』吉川弘文館, 2009
p.372「人日」の項
「五節供の一つ。一月七日。人の日・七草・七草の祝い・若菜節供。東方朔(とうぼうさく)の 「占書」にみえる中国の古い習俗で,正月七日に人を占うところから。日本では七草の粥で邪気を払う。(後略)」
資料2 鈴木棠三『日本年中行事辞典』角川書店, 1982
pp.129-130「人日」の項
「正月七日。中国では人勝節ともいい,わが国では七種(ななくさ)の節供として, 江戸時代五節供の一つに数えられた。人日というわけは,中国の古俗に,元日から八日までの各日に, (※)・狗(いぬ)・羊・豬(いのしし)・牛・馬・人・穀を当てて,元日には(※)を占い,七日には人を占い, 元日は(※)を殺さず,七日には刑を行わぬという風に定められていた。 このことは東方朔の著したといわれる『占書』に出ているという。しかしこの書は偽書とされているので正確といえないが, 大体漢代に存した思想であるといわれる。梁(六世紀)の荊楚(湖北・湖南)地方の風俗を記した『荊楚歳時記』には, 「正月七日を人日と為す。七種の菜を以て羹を為(つく)る。(中略)」とある。 七種の若菜を羹にして食べると年中無病でいられるという俗信である。(後略)」
(※)は鶏の正字
資料3 『和のしきたり 日本の暦と年中行事』日本文芸社, 2007
pp.198-199「人日の節句」の項
「(前略)中国では一月七日を人日と呼んで,七種類の野菜の吸い物を食し, 無病を祈る風習がありました。この風習が日本に伝わり,人日の節句に七草を食べる習わしが定着したのです。(後略)」
またp.198下部には「人日」についての解説がありました。
「昔から中国では,一月一日を「鶏の日」,二日を「狗(いぬ)の日」, 三日を「家猪(かちょ)の日」,四日を「羊の日」,五日を「丑(うし)の日」,六日を「午(うま)の日」 として,それぞれ家畜を占い,大切にした。七日は人を占う日とされ,犯罪者への刑罰を行わないことになっていた。」
<回答日>
2011/12/10
宮城県丸森町ゆかりの民話
<質問>
「七日七夜飛びつづけたタマ」という作品をテレビ(『まんが日本昔ばなし』)で観たことがある。 猟師が撃った鉄砲の玉が飛び続け,最終的には福を招いたというような内容。 宮城県丸森町ゆかりの民話を題材にしたようだが,何か資料はあるか。
<回答>
次の資料に類似の作品が収録されていました。
資料1 樫山巌『果報は寝て待て』宮城野昔話シリーズ第二集 仙南(名取・岩沼・角田・亘理・伊具)編 金港堂出版部, 1992
pp.61-62「七日,七晩,飛びつづけた弾」
<回答日>
2011/11/13