第107号(2013年12月30日号)
目次
宗門人別改帳の役割
<質問>
宗門人別改帳について,どのような役割であったか知りたい。
<回答>
1 宗門人別改帳について
次の資料に記述がありました。
資料1 児玉幸多[ほか]編『近世史ハンドブック』近藤出版社, 1975
p.314「人別改・人口・間引」の項
「近世における全国的な人口調査は豊臣秀吉の天正十九年(一五九一)の人掃に始まるといえよう。 その影響の下に江戸時代諸藩でも,人別改すなわち戸籍調査が行なわれるようになり,人別帳が作られたが,それが全国的に行なわれるようになったのは寛文ごろといわれる。 他面,幕府による切支丹改のための宗門人別改帳の作成もほぼ同じころ全国的に命ぜられたので,この後,両者はしばしば混同されるようになり,のちには混同するのが普通のようになった。」
※同ページには「人別改および宗門人別改一般」に関する文献の記載もあり
p.214「宗門改帳」の項
「村の寺院にその檀家の農民がキリシタンでないことを証明させた帳面だ,ということになっているが,どうもそれだけが目的ではなく,領内の労働力を村ごとに調べるといった目的も持っていたようである。」
2 宗門人別改帳に関する資料について
次の資料をご案内します。
資料2 藤野保編『論集幕藩体制史 第1期支配体制と外交・貿易 第9巻近世社会と宗教』雄山閣出版, 1995
pp.448-450「おわりに」の項に,宗門改制度について記述があります。
資料3 岡田章雄[ほか]編『日本の歴史8 士・農・工・商』読売新聞社, 1980
p.163「寺請制度」の項に,宗門改帳について記述があります。
資料4 津山千恵『日本キリシタン迫害史』三一書房, 1995
pp.30-33「宗門改役・井上筑後守政重」の項に,宗門改記録について記述があります。
資料5 片岡弥吉『かくれキリシタン』日本放送出版協会, 1975
p.39「弾圧の中の信仰」の項に,人別改帳について記述があります。
資料6 歴史学研究会編『日本史史料3 近世』岩波書店, 2006
p.244 に「全国の戸口調査」に関する資料として,「227〔徳川禁令考〕享保十一年(一七二六)二月十九日人別改之儀ニ付触書」の記載があります。
<回答プロセス>
国史大辞典編集委員会編『国史大事典 第7巻』吉川弘文館,1986
p.312 「宗門人別改帳」の項に記載された参考文献は下記のとおり。
資料1 地方史研究協議会編『近世地方史研究入門』岩波書店,1976
資料2 速水融「戸口」(『日本古文書学講座七』所収)
資料3 所三男「近世の人別改に就いて」(『信濃』九ノ四)
<回答日>
2011/07/03
ピエル・デッラ・ヴィーニャという人物について
<質問>
ダンテ著『地獄篇』に登場しているピエル・デッラ・ヴィーニャという人物について知りたい。
<回答>
ピエル・デッラ・ヴィーニャという人物について
資料1 平川祐弘『ダンテ『神曲』講義』河出書房新社, 2010
pp.201-206「ピエール・デルラ・ヴィーニャ」の項に人物についての記述があります。
資料2 岩倉具忠『ダンテ研究』創文社, 1988
pp.249-250 第7章「「表現美」の理論と応用」の項に人物についての記述があります。
<回答日>
2011/08/07