第38号(2010年11月15日号)
目次
伊達道具について
<質問>
伊達道具とは何か。参勤交代の時に持ち歩いた物のようだが、具体的にはどのような物か知りたい。
<回答>
『日本国語大辞典 7』
p.111「伊達道具」の項目に、次のような記述がある。
(1)華美をつくした立派な道具、外見を装ったぜいたくな道具。また、飾りやみえでおいてあるような武具。
(2)(「道具」は方便、手段の意で)みえや外見を飾るために身につけた学問や技芸。
とあるので、参勤交代の時に限らず、(1)のような物の総称である。
『東遊雑記』
p.7に、天明8(1788年)に古川古松軒が道中でみた仙台藩の行列の様子を記した記述がある。
「(前略)すべての士格伊達道具を連ね、目を驚かせし供廻りなり。御家の印は朱にて九曜を画き、(後略)」
<参考資料>
『日本国語大辞典 7』(日本大辞典刊行会編 小学館 1980)
『東遊雑記』(古川古松軒[著] 平凡社 1975(東洋文庫 27))
<回答日>
2008/9/4
定義山の名前の由来について
<質問>
定義山(じょうぎさん・じょうげさん)の名前の由来が知りたい。
<回答>
『宮城県百科事典』
p.491「定義如来」の項目がある。
「宮城町定義にある極楽山西方寺をいう」
『宮城県寺院大総覧』
pp.708-709「極楽山西方寺(浄土宗)」の項目がある。
「宮城郡宮城町大倉定義の地奥深く,深山幽谷の小盆地一隅にひつそりとそそりたつ。極楽山西方寺は通称定義如来としてその名遍く、いまは東北一円の霊場として一般庶民の深い信仰を集め、各地より霊集する」
『宮城県の地名』
p.221「西方寺」の項目がある。
「(前略)俗に「定義さん」「定義如来」とよばれる。(中略)定義如来の由来について、「観蹟聞老志」に「相伝平重盛家臣筑後守貞吉所持之像也」とあり、「封内風土記」にも「阿弥陀堂伝云小松内府重盛卿家臣筑後守貞吉之護持仏也」とある。(後略)」
また、同じくp.221「定義」の項目には、地名の由来(伝説)として、平家滅亡後、この地に落ちのびた「平貞能」を紹介している。「定義」という地名については「貞能の訓『さだよし』は、定義とも書けることから、これを音読して「じょうぎ」となり、さらに「じょうげ」とよぶようになった」と記載されている。
<参考資料>
『宮城県百科事典』(河北新報社 1982)
『宮城県寺院大総覧』(宮城県寺院総覧編纂会 1975)
『宮城県の地名』(平凡社 1987)
<回答日>
2008/7/24