第21号(2010年2月28日号)
目次
伊達政宗の遺訓「仁義礼智信」1
<質問>
伊達政宗の遺訓で「仁義礼智信」というようなものを聞いたことがある。このことについて詳しくわかる資料はあるか。
<回答>
以下の関連記載がある資料を紹介する。
『伊達政宗』p.319に「五常訓」が記載されている。
「仁に過ぎれば弱くなる。義に過ぎれば固くなる。礼に過ぎれば諂い(へつらい)となる。智に過ぎればうそをつく。信に過ぎれば損をする。気永く心穏やかに萬に倹約を用い金を備ふべし(後略)」
『要説宮城の郷土誌』p.168~に所収されている「「五常訓」は政宗の作かどうか」によれば,「五常訓と称せられるものについては、伊達氏に関する記録文書のどれにも、根拠となるものが見当たりません(略)」とある。
『仙台市史 第1巻』p.318~「「仁に過ぐれば」云々の謂わゆる貞山様遺訓なるものは、恐らく政宗の作ではないとの説(略) 源氏耳袋が編まれた幕末の頃までは、貞山公遺訓なるものはなかったと説かれた」とある。
<回答プロセス>
最初、言行録など案内したが記載がなかった。インターネット検索で「政宗 仁 礼」で検索したところ「五常訓」「貞山公(様)遺訓」の言葉をみつけた。そこから再度所蔵検索を行った。
<参考資料>
『伊達政宗』(渡部義顕 伊達政宗刊行会 1934)
『要説宮城の郷土誌』(仙台市民図書館 宝文堂 1983)
『仙台市史 第1巻』(仙台市史編纂委員会 仙台市 1954)
<回答日>
2008/2/14
「レンゲ」の名前の由来
<質問>
中華料理を食べるときに使う「レンゲ」は、なぜ「レンゲ」というのか。
<回答>
「レンゲ」は通称であり、もともとは「散蓮華(チリレンゲ)」と言う。形が散った蓮の花の形に似ていることが名前の由来となっている。
<回答プロセス>
『広辞苑』『日本国語大辞典』ではいずれも「レンゲ」は蓮華草についてのみ記載がある。『中国食文化事典』のp.251「匙子」の項目に「湯匙(調羹)は、ちりれんげをいう。」と記載があり、あらためて「ちりれんげ」で調査したところ、下記資料にそれぞれ説明があった。
『衣食住語源辞典』p.208「ちりれんげ:匙の形が散ったハスの花弁の形ににているところから出たもの」
『広辞苑 [2]』p.1845「ちり-れんげ(散蓮華):散った蓮華の花弁に似た形の陶製の匙。れんげ」
『日本国語大辞典 第9巻』p.164「ちり-れんげ(散蓮華):散った蓮の花に形が似ているところから柄の短い、小さな陶製もしくは金属製のさじ。れんげ」
<参考資料>
『衣食住語源辞典』(吉田 金彦 東京堂出版 1996)
『広辞苑 [2]』(新村出編 岩波書店 2008)
『日本国語大辞典 第9巻』(小学館国語辞典編集部 小学館 2001)
『中国食文化事典』(木村 春子[ほか] 角川書店 1988)
<回答日>
2008/5/6