宮城県図書館だより「ことばのうみ」創刊号 1999年3月発行 テキスト版

おもな記事

  1. 表紙の写真
  2. 表紙エッセイ 『図書館の時間』 作家 高田宏さん 
  3. 『図書館新時代の幕開けに-創刊にあたって-』宮城県図書館長 高橋武雄
  4. 宮城県図書館新館オープン1周年アルバム 
  5. 特集 近代的国語辞書『言海』と大槻文彦 
  6. 図書館Q&A
  7. わたしのこの一冊 半頭大雅『無想の風光』
  8. 図書館からのお知らせ

表紙の写真。

9月5日に行われた,ことばのうみコンサート「谷川俊太郎さんの詩をきく会」の様子です。

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表紙エッセイ 『図書館の時間』 作家 高田宏さん。

図書館で過ごした時間を合算したら、どのくらいになるだろうか。
中学・高校のころはずいぶん多かった。日曜日に出かけるところは、たいてい図書館だった。夏休みはほぼ毎日、町の図書館へ行って、風通しのいい窓辺で読んできた。図書館で借りた本を持って神社の境内の木陰にねそべって読む日もあったが、冬休みは境内が雪に埋もれているので終日図書館にいた。朝食をすませると公民館のなかの図書館へ出かけ、昼食を食べに家に帰り、また図書館で夕飯時まで本を読んでいた。半世紀ばかり昔、太平洋戦争後の数年間のことだ。図書館にいた時間は5000時間を超えるかも知れない。(高校時代は図書部員でもあったので、そのぶんも加えればもっと多い)
大学でも、授業をさぼって図書館にいることが多かった。友達と会って廊下へ出て話し込むこともあったが、膨大な量の本に囲まれている時間は、教室での時間とは別の、宝の山にいる幸福感にひたれる時間であった。

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『図書館新時代の幕開けに-創刊にあたって-』宮城県図書館長 高橋武雄。

このたび当館では,資料やスペース,機能などを大幅にアップし新生開館しました。明治14年創立の当館は装いも新たに生まれ変わった今,広報活動でも,「宮城の図書館新時代幕開け」にふさわしい内容が求められています。
そこで,新たに『宮城県図書館だより ことばのうみ』を発行することになりました。利用者の皆さまと図書館とのこころが通い合う広報誌にしたいと願っています。
創刊にあたり,図書館と言葉との緊密な結びつき,そして当館の歴史なども踏まえながら,皆さまに親しんでいただけるように,『ことばのうみ』という愛称をつけました。
そこには,仙台藩出身の国語学者で,当館の第8代館長でもある大槻文彦が17年をかけ,日本最初の国語辞書『言海』-現在私たちが何気なく使用している国語辞典の礎-を独りで編纂・刊行した偉業にちなみ,その労と功績を讃え,感謝し,郷土の誇りとして心の拠り所にして欲しいとの願いも込められています。『ことばのうみ』は,当館の憩いとふれあいの場である地形広場にもつけられている愛称です。
幸いにも,大槻文彦の感動的な半生を描いた『言葉の海へ』(昭和53年刊,大佛次郎賞,亀井勝一郎賞受賞)の著者・高田宏氏から心を込めた題字の揮ごうと寄稿をいただきました。
私どもは,本誌を皆さまとの共通の広場として,縁(ゆかり)の名に恥じない運営に心がけてまいりますので,広く皆さまからの建設的なご意見をお待ちしています。

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宮城県図書館新館オープン1周年アルバム

この1年で100万人を越える県民のみなさまが来館しました。

宮城県図書館新館オープン(平成10年3月21日)

記念講演会『本のあるくらし』では,作家・荒俣宏氏が自身の蔵書やコレクションを紹介し,図書館で発見することの楽しみについて語った。

 

音楽鑑賞講座(5月から9月まで全7回

音楽評論家・田村輝顕氏の解説で「大作曲家の隠れた名曲」などを堪能した。この他,ミニシアター青柳館では毎月CD・LDコンサートや上映会を開催。

 

第29回子どもの本展示会(5月14日~17日)

平成9年刊行の児童図書1,400冊を一挙に展示。この後,県内の図書館・公民館など28会場を巡回,来場者は約6,500人。

 

講演会「みやぎゆかりの先哲たちⅠ」(5月23日)

『言葉の海へ』の著者・高田宏氏が「大槻文彦をめぐって」と題し,文彦が青春期を過ごした幕末の時代背景などを講演。『言海』の自筆稿本も展示され,関心を集めた。

 

県内公共図書館・公民館図書室等の職員研修会(6月・7月・9月)

初任者研修会では,埼玉県鶴ヶ島市立中央図書館の大澤正雄館長が「図書館職員の資質をみがく」と題して講演。

 

図書館振興のつどい シンポジウム「まちづくりと図書館」(7月10日)

日本図書館協会町村図書館活動推進委員長・糸賀雅児氏(慶応義塾大学教授)が基調講演。続くシンポジウムでは県内有識者らが図書館のある暮らしについて熱のこもった討論を展開した。

 

ことばのうみコンサート『谷川俊太郎さんの詩をきく会』(9月5日)

谷川俊太郎さんが自作の詩を朗読。ステージの子どもたちといっしょに「かっぱ」を読むなど,地形広場ことばのうみに約2,000人の拍手と歓声がこだました。

 

講演会「みやぎゆかりの先哲たちⅡ」『斎藤秀三郎と英語辞典』(11月14日)

神奈川大学教授・出来成訓(でき・しげくに)氏が,世界的に著名な英語学者・斎藤秀三郎(1866~1929)が英語辞書を完成させるまでを講演。関連資料も公開された。

 

『魯迅作品展』(11月21日~28日)

江沢民中国国家主席の仙台訪問にあわせて,『藤野先生』など魯迅関係の図書約150点をみやぎ資料室で特別展示。

 

『としょかん質問箱』創刊(12月)

宮城県図書館に寄せられた質問について,回答を導き出すための過程と参考資料等を紹介した事例集。

 

読書活動研究集会(平成11年3月12日)

只野とよさん(小牛田町在住,84歳)の昔ばなしに約150人が聞き入った。続いて富田博氏(おてんとさんの会会長)が「児童文化活動に期待する」と題して講演。午後は各児童文化団体から活動の紹介があった。

 

開館から1年のデータ(平成10年3月21日~平成11年2月28日)

入館者数は1,059,679人です。
登録者数は82,629人です。
貸出冊数は921,411冊です。
見学団体数は441団体です。

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図書館ネットワークシステム利用体験学習に参加して 亘理町立亘理中学校1年 萱場由莉香

昨年の夏休み,図書館ネットワークシステム利用体験学習に参加し宮城県図書館に行きました。出発が朝早いということもあって,「めんどうくさいね。宮城県図書館は普通の図書館と何が違うの」と,友達と話したりしていました。
しかし,実際に宮城県図書館に到着してみると,想像以上に広くてとてもきれいなことに驚きました。めんどうくさいという気持ちはすぐに吹き飛んで,好奇心で一杯になりました。最初に館長さんに館内のことをわかりやすく説明してもらい,普段は入れないところも見せてもらいました。
何よりも私が興味を持ったのは,どこにどんな本があるかえお調べることができるコンピュータがあることでした。職員の人に説明してもらい,私も友達と試しに前から読みたかった本について調べてみたら,とてもくわしく書いてあって,いろいろなことを知ることができ助かりました。
このコンピューターは,私が住む亘理町の図書館にもつながっていて,ネットワークになっているそうです。宮城県図書館は「図書館の図書館」だということがよくわかりました。
この貴重な体験を機会に今まで以上に図書館を利用し,いろいろなことを調べたり,本を読むことをもっともっと好きになろうと思います。

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特集 近代的国語辞書『言海』と大槻文彦

国語の統一は一国の独立の基礎 宮城県図書館は,日本初の近代的国語辞書『言海(げんかい)』を著した大槻文彦(おおつき・ふみひこ,1847年~1928年)の自筆原稿などを「大槻文庫」として所蔵している。文彦は宮城県書籍館(しょじゃくかん・現在の宮城県図書館)の第8代館長もつとめている。 新しい国づくりを進める明治政府にとって,国語の統一は急務だった。 この難事業を,文彦は17年をかけ,ただひとりで成し遂げた。 『言海』刊行までの文彦の足跡をたどる。

明治政府と国語辞書

明治初年,政府は府県別の年報と地誌,体系的なわが国の歴史や百科事典,そして国語辞書の編纂(へんさん)を計画した。それは,戊辰(ぼしん)戦争後の新しい国家体制を確立し,西欧諸国に対抗しうる国家の文化的自立をはかるためであった。
そのうち一つ国語辞書は,その完成まで幾多の困難を乗り越えなければならなかった。1869年(明治2)に洋学者柳川春三(やながわ・しゅんさん)は近代的国語辞書の必要性を建白した。これを受けて,政府は当時の有力な国学者たちを集め,官選(かんせん)の辞書『語彙(ごい)』編纂に取りかかったが,完成には至らなかった。複数の編纂者の意見調整の困難さなどがあけられているが,そもそもは国学者のみの知識や経験だけでは,俗語や日常語をも収録する普通語辞書の編纂は無理があったことであると言われている。
このような事情を踏まえて,文部大書記官西村茂樹は,大槻文彦に白羽の矢を立てたのであった。

学問の系 大槻家

大槻文彦は,仙台領一関(現・岩手県一関市)出身の日本有数の学問の系,大槻家の一員である。祖母玄澤(げんたく)は蘭学者で海外の研究にも熱心な人であった。彼は西欧のことを知るにつれて,その時代の人々には実感することが難しかった「日本国」という観念を持つようになった。
この観念は,息子の磐渓(ばんけい)から,戊辰戦争をくぐり抜け,明治維新を体験した孫文彦へと伝えられていった。西欧を認めながら,それとは異なったものとして「日本」を発見し,その自立に尽くすこと-そこに文彦の出発点があった。
文彦は『日本文法論』の中で次のように記している。
「方今(ほうこん)我国ノ文学ニ就(つ)キテ最大の欠典(欠点)トスルハ日本文典ノ全備セル者ナキナリ是(これ)ナキハ独(ひとり)我国文学ノ基礎立タザルノミナラズ外国ニ対スルモ真ニ外聞悪シキ事ナラズヤ」
これを書く8ヶ月前の1875年(明治8)2月,文彦は西村から国の方針として,やがて『言海』と名付けられる国語辞書の編纂を命じられている。文彦29歳だった。政府は『語彙』の失敗から,国語はもとより英語にも詳しい文彦を選んだ。編纂事業は最初,国学者の榊原芳野(さかきばら・よしの)と二人で出発したが間もなく文彦ひとりにすべてがまかされることになった。

遂げずばやまじの精神

以来,17年にわたる言葉との格闘が始まる。最初は,定義の明確性を特徴とするウェブスターの英語辞典にのっとり,そこに収録されている語の注釈を翻訳し,日本語にあてはめていけば,おのずから目指す辞書は出来上がると考えた。
しかし,実際にその作業を行ってみると,日本特有の古語などですでに意味がわからなくなっているもの,品詞の区別がつかないもの,アメリカと日本では同じ名前でも形や色彩が異なっているものなどがあり,頁ごとに空白の部分がいくつも残った。これを埋めるのは至難の業であった。
文彦は『言海』の後書きに次のように記している。
「これぞ此編輯(へんしゅう)業の盤根錯節(ばんこんさくせつ)とはなりぬる。筆執(と)りて机に臨(のぞ)めども,いたづらに望洋の歎(たん)をおこすのみ,言葉の海のたゞなかに櫂緒(かいを)絶えて,いづこをはかとさだめかね,たゞ,その遠く広く深きにあきれて・・・」
一つの外国語の語源を求めて,何冊もの本,何人もの人,何日の日数もかけ解決に向かう。列車のなかで聞いた方言をその人に問いつめて煩(うるさ)がられたり,他人には奇異に映る行為も少なくなかった。
危機が何度も文彦を襲った。敬愛する父が編纂開始後3年目に逝った。1886年(明治19),12年もの苦辛の末に脱稿し,文部省に原稿を提出したが,理由も示されないまま刊行されなかった。やっと自費出版を許されるが,校正の最中に愛娘と妻が相次いで亡くなった。また,予約者に刊行の遅れを「大虚槻(おおうそつき)先生の食言海(しょくげんかい)」となじられたりもした。
そのたびに文彦に力を授けたのは,他ならぬ祖父玄澤の「およそ,事業は,みだりに興(おこ)すことあるべからず,思いをさだめて興すことあらば,遂げずばやまじ,の精神なかるべからず」という言葉であった。

五十音順にほぼ4万語を収録

幾多の曲折を経て,1889年(明治22)から1891年(明治24)までに『言海』全4冊が刊行された。国語辞書編纂を命じられてから,17年の歳月をかけた大事業であった。
『言海』はわが国国語史上の金字塔となった。ほぼ4万にのぼる語を,これまでの辞書のようなイロハ順ではなく,五十音順に配列,語の分類を体系化し,文法を確定した近代的な普通語辞書の嚆矢(こうし)となったのである。
文彦は,『広日本文典別記(こうにほんぶんてんべっき)』の序論で次のように書いている。
「一国の国語は,外に対しては,一民族たることを証し,内にしては,同胞一体なる公義感覚を団結せしめるものにて,即ち,国語の統一は,独立たる基礎にして,独立たる標識なり」
国語の統一は一国の独立の基礎,近代国家には近代的国語辞書が要る-文彦の思いはようやく結実した。
文彦はその後も『言海』の増補改訂に努め,死語4年目の1932年(昭和7)に『大言海』として刊行された。

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図書館 Q&A。

宮城県図書館の仕事は,県民のみなさまに資料を提供することが基本です。県図書館のサービスには,来館される利用者への直接サービスと,県内の市町村図書館を支援する「図書館の図書館」としての役割があります。

借りた本を2週間の貸出期間内に読み終わりませんでした。貸出を延長してもらえますか。

宮城県図書館のカウンターで,もう一度貸出の手続きを受けてください。ただし,その本に他の方の予約が入っている場合には,予約の方が優先となりますので,ご了承願います。(一般図書係)

図書館内でビデオを見るときの手続きを教えてください。

まず,3階で「利用カード」をおつくりください。免許証・学生証など名前と住所を確認できるものが必要です。次に1階のブース予約用コンピュータの案内に従って,利用カードの下3ケタの番号,ご覧になりたいビデオの資料番号,人数などを入力してください。指で触れるだけですから簡単です。予約券が出てきますので,カウンターにお申し込みください。(視聴覚資料係)

みやぎ資料室にはどのような資料がありますか。

宮城県全域と旧仙台藩領について書かれた図書や雑誌,県や市町村の発行する行政資料やパンフレット,明治から昭和21年まで宮城県で保存していた県庁文書4570冊などがあります。また,旧仙台藩主伊達家の蔵書であった「伊達文庫」をはじめ「青柳文庫」「大槻文庫」「養賢堂文庫」など,約6万点以上の古書や絵図があります。みやぎ資料室では私たちの郷土”みやぎ”について,さまざまな新しい発見をすることでしょう。(郷土資料係)

コンピュータで児童書を検索すると,「児童書研究室」「館内利用可」と表示されていましたが,利用できますか。

本館では,こども図書室の貸出用児童書とは別に,年間約3300点出版される児童書を全点購入(学習参考書,コミック,ゲーム攻略本は除く)し,「児童資料研究・相談室」(検索では「児童書研究室」と表示される)に発行年順に配架しています。
研究室の図書は,市町村図書館職員,学校図書館関係者,児童書を研究される方々が選書や研究の参考資料としていつでも利用できるように「館内利用」となっています。
また,県内の児童書センターとしての役割をも果たすために永年保存としています。(児童資料係)

キーワードで新聞記事が探せますか。

代表的な新聞であれば,コンピュータにキーワードを入力して探せます。
河北新報はデータベースを使い,1991年8月1日から前日分までの見出しや記事を探すことができます。
朝日新聞,毎日新聞,読売新聞,日本経済新聞,日経流通新聞などはCD-ROMを利用してキーワードでの新聞検索ができます。
朝日新聞は1945年から1995年までの記事と見出しと掲載日を,1985年から1997年までは記事を読むことができます。他の新聞は5~6年分の見出しや記事が探せます。(逐次刊行物係)

宮城県図書館で調べたいことがありますが,私の町は宮城県図書館から遠いところにあります。県図書館まで行かないと調べられないのでしょうか。

お近くに市町村図書館がある方は,図書館にご相談ください。調査相談(レファレンス)は図書館サービスのひとつです。
市町村図書館が資料等の問題で回答を導き出せない場合には,宮城県図書館が依頼を受けて調査を引き継ぎます。
宮城県図書館にはレファレンスを専門に担当する調査相談係があります。身近に図書館がない方は公民館を通したり,直接,宮城県図書館にお問い合わせください。調査相談は手紙や電話(022-377-8499),ファックス(022-377-8493),電子メールchousa@library.pref.miyagi.jpで受付けています。(調査相談係)

目が不自由なので,朗読サービスを受けたいのですが。

図書館の本や雑誌・新聞などの朗読(音訳)サービスをボランティアと職員が行っています。朗読サービス室は1階に2室あり,電話でもお読みします。朗読サービスの受付窓口は企画係です。まずはお電話でお問い合わせください。電話番号は022-377-8444です。(企画係)

車イスを利用しています。書架の本に手が届かない場合には,どうすればいいのでしょうか。

宮城県図書館では,車イスをご利用の方に,館内用携帯電話を貸出しています。1階総合案内や各カウンターで申し込んでください。本が手に届かないときなど,カウンターにお電話ください。職員が参ります。詳しくはカウンターでお聞きください。(総務係)

読みたい本があり,町立図書館に行って探しましたがありませんでした。職員の方に聞いてみると,「他の図書館の本を借りることができるのですか。

県立や市町村立図書館などの公共図書館では,自分の図書館に所蔵していない本についても利用者に提供できるように,図書館の間でお互いに本の貸し借り(相互貸借)をしています。
あなたの町の図書館職員が宮城県図書館など他の図書館を調べて,あなたの希望する本を借り受け,貸出してくれるのです。
宮城県図書館ではコンピュータネットワークなどを使って全国の図書館を調べ,市町村図書館の本探しを支援しています。また,県図書館の本を貸出す(協力貸出)など県内の市や町の図書館サービスの普及と向上に努力しています。(協力係)

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わたしのこの一冊 『無想の風光』半頭大雅著 1993年 春秋社刊

「自然体に戻してくれる本」宮城県図書館推進委員 沼田一夫。
過日,20数年ぶりに京都府長岡京市の長岡禅塾に半頭大雅御老師をお訪ねしました。
その折に,御老師の著書『無相の風光』を戴いて参りました。驚いたことには,所々に線が引かれたり,筆が加えられた,大変貴重なものでした。
何度読み返しても,納得することなどできないのかもしれませんが,読むたびに何かしら自分の中に,新しい刺激を与えてくれる凄いエネルギーを秘めた本でした。
現在,3児の親として,また,中学校で心の教室相談員として子供達と接している自分にとって,大人として何を信念に持ち,子供達に何を伝えていけば良いのか,どう対処したらいいのか迷う時,力も無いのに気負っている自分を諌めてくれ,肩の力を抜いた自然体に何時も自分を戻してくれます。
おわりに,この『夢相の風光』のはしがきからその一部をご紹介します。
あるお坊さんに,禅について質問をし,安心を得ようと,のこのことやってきたお人があった。お坊さんは,なにをどう話してよいか解る筈がない。そこで,「まあ,お茶でも召上がれ」と,差し出すと,茶碗を手にうけて飲みだした。「お茶をお飲みになるところをみると,手も動く,眼もお見えになる。私の言ったこともお解りになるようだ,これ以上,なにか御不自由がおありですか」「いや,ありません」「では,それで充分じゃありませんか」と,いったというのである。

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図書館からのお知らせ。

第30回子どもの本展示会。
期間は5月20日(木曜日)から23日(日曜日)までです。
時間は午前9時30分から午後5時までです。
会場は図書館2階 展示室です。
お問い合わせは児童資料担当 電話 022-377-8447までどうぞ。
音楽鑑賞講座。
日にちは5月21日(金曜日),6月23日(水曜日),7月29日(木曜日)です。
時間は午後1時30分から午後3時30分までです。
会場は図書館2階 ミニシアター青柳館です。
お問い合わせは視聴覚資料係 電話 022-377-8446までどうぞ。
4月1日から新たに『生涯学習相談』のコーナーを開設します。専門の相談員が対応しますので,お気軽にご相談ください。
学習情報,イベント,団体・グループ,講師・指導者,施設,資格など学習に必要な情報の提供を行います。
学習内容や学習の進め方,学習団体・サークル運営,講座やイベントの企画などの相談を承ります。
場所は図書館2階 生涯学習室・地域情報発信室です。
時間は午前10時から午後4時までです。
お問い合わせは電話 022-377-8641までどうぞ。
施設の利用。
火曜日から土曜日の開館時間は午前9時から午後7時までです。
日曜日の開館時間は午前9時から午後5時までです。
ただし貸出は午前9時30分からです。またこども図書館は午後5時までです。
休館日は月曜日,毎月末日,国民の祝日,資料特別整理期間,年末年始です。

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この「ことばのうみ」テキスト版は、音声読み上げに配慮して、内容の一部を修正しています。
特に、句読点は音声読み上げのときの区切りになるため、通常は不要な文末等にも付与しています。

「ことばのうみ」は、宮城県図書館で編集・発行しています。
宮城県図書館だより「ことばのうみ」 創刊号 1999年3月発行

宮城県図書館

〒981-3205

宮城県仙台市泉区紫山1-1-1

TEL:022-377-8441(代表) 

FAX:022-377-8484

kikaku(at)library.pref.miyagi.jp ※(at)は半角記号の@に置き換えてください。